2005年2月山行記録

2.八ヶ岳・雪氷技術及び登攀合宿(赤岳鉱泉〜ジョウゴ沢〜硫黄岳、南沢大滝)

Date:2005年2月11日(金・祝)〜13日(日)[2泊3日]
Party:伊藤寿男、安仁屋政武、前田栄三、泉谷洋光、芝田正樹、栗本俊和、睦好正治(L)(AACK、笹ヶ峰会会員)
装備:アイゼン12本歯、ピッケル1本、ヘルメット他(個人)、アイスバイル、ロープ、氷壁登攀道具一式(共同装備)
Time:
◆2月11日(金・祝)/晴
自宅350=初狩PA=520双葉SA(朝食、給油)555=635美濃戸口(d=181.8km)930−1035美濃戸1110ー1330赤岳鉱泉(2220m)−アイスキャンディにてアイスクライミング練習−1630赤岳鉱泉(泊)
◆2月12日(土)/晴
赤岳鉱泉815ー840ジョウゴ沢F2下−F2アイスクライミングーF2上1010ーザイルワークの練習ー本谷ゴルジュ通過、大滝を眺める−左ルンゼへ−ナイアガラ滝右岩稜へ取り付き1140−左ルンゼをつめる−1210昼食(2600m)1220ー1250稜線に出る(2730m)−1300硫黄岳(2760m)1310−1430赤岳鉱泉(有志のみアイスキャンディでアイスクライミング練習)
◆2月13日(日)/晴→曇
赤岳鉱泉715−745中山乗越750−755中山展望台800−810行者小屋820−850南沢大滝分岐900−大滝・小滝−分岐930−1005美濃戸山荘1015−1055美濃戸口1120=1140八ヶ岳PA1150=1240談合坂SA(昼食)1320=1420自宅
(d=往復363.1km)
Notes:
今夏の崑崙遠征に必要な基本的な雪氷技術及び適度な傾斜(60〜90度)のある堅氷での登攀の基本技術の習得を目的として、AACK、笹ヶ峰会の7名で八ヶ岳へ行くことになった。
11日は午前7時の美濃戸口集合予定に対し、6時半に到着した。駐車場手前で道が凍っていたが、ノーマルタイヤで入れた。前夜発で駐車場にテントを張って仮眠していた安仁屋、前田、芝田の先輩達のテントが見えた。伊藤さんは一段上の駐車場に6時頃に着いたそうだ。
泉谷車の到着が遅れる。凍った道が登れなくて、またチェーンもうまく着かず、結局太陽館に車を残置。そのために、美濃戸口出発は9時半になった。


美濃戸よりの阿弥陀岳 赤岳鉱泉への道(横岳大同心)

美濃戸までは林道を1時間程歩く。大勢の入山者がいる。
そして更に赤岳鉱泉までは2時間と少しかかり、午後1時半に到着した。
直ぐに宿にチェックインする。7人で個室に入れて快適。休憩の後、アイスクライミングの練習のため、宿の横にある”アイスキャンディ”(下の写真参照) という練習場に出かける。三連休のためか混んでいて、何とか片隅でトップロープで練習開始。1人1本ずつトライして、4時半に本日の練習を終了した。

赤岳鉱泉アイスキャンディー1 赤岳鉱泉アイスキャンディー2 赤岳鉱泉アイスキャンディー3


12日は、ジョウゴ沢を登り、途中で練習をしながら硫黄岳まで登り赤岳鉱泉に戻る予定。8時15分に出発、F1は混んでいるのでF2で氷壁登攀の練習に入る。

ジョウゴ沢F2先行パーティの女性の登攀 F2をリードする睦好ヒョホホさん F2で確保する芝田グチャさん

ジョウゴ沢途中でザイルを出して、ロープワークの練習。本谷が狭まりゴルジュ(下左写真) になった所で、本谷大滝(下中・右写真) が雄大な姿を現わす。

本谷ゴルジュ付近で、前から泉谷、芝田、前田、伊藤、安仁屋さん ジョウゴ沢本谷大滝全景 本谷大滝の登攀

大滝は登らず、左ルンゼの青いナイアガラの滝方向に向かい、これも右の岩稜に取り付き、1箇所10m補助ロープを出しての登攀後、ナイアガラ滝上から快適なルンゼの雪面を登り、途中12時を過ぎたので軽食を摂る(2600m)。
そして最後は岩混じりのザラ場を通り、赤岩の頭と硫黄岳の中間の稜線にたどり着く。赤岩の頭には大勢の登山者が望める。硫黄岳頂上は稜線を10分程歩いて到着する。1時。頂上は風の通り道だ。記念撮影をして下山にかかる。赤岩の頭を経由して赤岳鉱泉に下山(14時30分)。
休憩の後、一番意欲的な安仁屋さんのみ”アイスキャンディ”で追加練習。泉谷さんは一生懸命担いできたお餅とぜんざいを温めて、3時のおやつを皆にふるまう。
私はたまたま出会った島田智恵子さん(チンボラソに一緒に登った)とおしゃべり。今年、エベレストにチャレンジするとのこと。出発は3月10日とか。気を付けて行ってらっしゃい。

2450mよりの大同心と赤岳 硫黄岳頂上(2760m) 前田オヤマさん


13日は、行者小屋を経由して、南沢大滝、小滝を眺めて下山の予定。午前中に下山するため、昨日より1時間早い7時過ぎに出発。途中中山乗越で中山展望台に歩を運び、横岳、赤岳、阿弥陀、中央アルプスなどを写真に納める。
南沢大滝では眺めるだけでは物足りないので、アイススクリューのアンカー支点の取り方、設置、回収方法などの講習を受ける。
美濃戸口には予定より早く、11時前に到着する。太陽館の温泉に入る5人と別れ、2人はそれぞれの車で帰路に着く。
えらく早く出発したため、もちろん渋滞はなく、スムーズに14時20分に自宅に帰り着く。お疲れ様でした。

行者小屋の前で 南沢大滝 南沢小滝


天気に恵まれ、仲間に恵まれ、講師に恵まれ、久しぶりに登攀というものを経験しました。氷壁登攀は、まったく初めてでありアイスバイルを握ったのも初めてでした。そして、ザイルワーク、支点の取り方などを教わりました。8環による懸垂下降とユマール登攀は次回に持ち越しです。
私と睦好さんを除けば、5人全員が60才台の中高年であり、この中高年パワーで崑崙の未踏峰へアタックし、頂上を極めたいものです。
企画、発案の前田、芝田さま、お世話さまでした。講師の睦好さんは、登攀道具一式の重い荷物とその準備、お疲れさまでした。

”通える夢は崑崙の 高嶺の彼方ゴビの原”


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