マウナケア(4205m)・マウナロア(4169m)登頂と
キラウエア火山(ハワイ島旅行記)

2005年4月27日〜5月3日の記録

Party:矢部達雄、泉谷洋光、栗本文子、栗本俊和(記)、2005年5月5日
今年のGWは後半に別の予定があるため、前半の1週間で登れる山ということで、ハワイ島のマウナロアを選んだ。マウナケアは日本の国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)があり、車で登れる山であるが、マウナロアは、ツアー会社の案内では、歩行約12時間という、傾斜は緩いが高高度を長時間歩かされる山で持久力が必要ということである。また、キラウエア火山の溶岩の噴出情況は、地球の生きた姿を示すものとして、どおしても見ておきたかった。

コナの海で泳ぐ子供達と
ロイヤル・コナ・リゾート・ホテル
コナの海岸で( 右は矢部さん)


4月27日 成田1945(CI018)→0800ホノルル1010(AQ216)→1050コナ、ハワイ島
成田を定刻に離陸。チャイナエアーは機体古く、イヤホン、音楽などもなく、サービスも最低。今時考えられない。7時間の予定より早くホノルル着。国内線のアロハ航空でハワイ島コナに向う。定刻にコナに着く。ハーツのレンタカー事務所に移動して、予約していた4WDを借りる。車種はシボレー/ブレザー。 12時半にロイヤル・コナ・リゾート・ホテルにチェックイン。泉谷さんが1人部屋にするとの主張で一波乱あり。また、風邪気味で熱が少しあるとのことで、午後の散歩を兼ねた買出しは彼を除いた3人で、3時半頃より出かけ、水、パンなどを買った。

サドルロードのマウナケアへの分岐点で、
後ろはマウナケア
オニズカ・ビジターセンター
2800m
オニズカで(左から、栗本文子、泉谷、矢部、栗本俊和)


4月28日 マウナケア(4205m)登頂
ロビー8時集合、8時15分に車で出発。今日のドライバーは自分の番。9時40分にサドルロードとマウナケアアクセスの分岐点に到着、一呼吸を入れる。10時5分に、オニズカ・ビジターセンター2800mに到着する。ビデオの上映、案内マップ、コーヒなどがある。セルフサービスで自分でお湯を入れて飲むようになっている。ココアを戴き、donationとなっており、1$を入れる。
10時45分にオニズカを出発し、頂上に向う。道はそれほど悪いことはなく、4WDで快調に登れるが、3000mを越し高山の影響が出てくるので、腹式呼吸で深呼吸を繰り返しながらの運転になる。頂上近くで道が2つに分かれ、左を選択した。これはスバルの方に向う道だ。11時10分、スバルの下の天文台で車を停めた。(マウナケア頂上には、全部で10程の天文台がある)
ここから歩いてスバルに向う。対面に次に向う予定のマウナロアが見えるが、山容はまったくなだらかで、4000mを越す山とは思えないくらいだ。頂上近くに残雪が見える。20分程で天文台に到着する。するとツアー会社の4WDが1台やってきて、天文台を見学の様子。
我々も下の事務所で頼み込んで、事前予約制のところを何とか見学可となった。前の組の後ということで、待たされたが、12時半頃やっと見学が開始となった。若い女性ガイドからまず誓約書を読まされ、サインしてから開始だ。横には酸素ボンベが今使ったばっかりという状態で置かれている。頂上での滞在時間が延びると高山病になる人もいるのだろう。望遠鏡のあるドームが回転しはじめ、最上部には行けなくて途中で見学が中止となったが、飛び入りの見学だからこれも致し方ないだろう。車に戻り、マウナケア頂上に向う。

マウナケア、すばる天文台へ向うマウナロアを望む国立天文台すばる下


10分程で、頂上に一番近い天文台前に車を停める。13時30分。
高山の影響の出かけている文子を車に残し、3人で頂上に向う。ここからは、ザラザラした溶岩の道を10分程で頂上に着く。13時40分着。マウナケア4205mはハワイ/太平洋の最高峰である。

マウナケア山頂
(左から矢部、泉谷、栗本)
マウナケア山頂(4205m)



13時55分頂上発。14時05分車に戻り、直ぐに下山する。オニズカ着、14時40分、カップラーメン(2$)を食べる。15時05分にオニズカを退散して、18時にホテルに戻った。ガソリンを満タンにした。昨日の空港からここまで、161マイル。

4月29日 キラウエア火山の見学
泉谷さんの体調が十分でないため、マウナロアを後まわしにして、先にキラウエア火山の見学に行くことにした。7時40分ホテル発。ドライバーは泉谷さん。10時12分キラウエア・ビジターセンターに着く。火山噴火の様子をビデオで上映している。
30分程の休憩の後、キラウエア火口からチェーン・オブ・クレーターズ・ロードを下り、終点のレンジャーステーションに車を走らせる。ここを11時半に出発し、溶岩の上を歩くこと1時間30分かけて、今まさに活動している溶岩流に出会うことができた。

キラウエア火山からの溶岩流1キラウエア火山からの溶岩流2


キラウエア火山からの溶岩流3海に流れ落ちる真っ赤な溶岩流


この溶岩流は、まさに地球創生の現場であり、大自然の偉大さを感じさせるが、自分の目で見ないことには、写真やビデオでは決して十分理解することのできないものでもある。こんなに真近に見ることができるというのも驚きである。ぜひ、一度は見学することをお勧めします。

道路の上を溶岩流が越えた場所キラウエア車道終点に戻って、
水が美味い


明日のための買出し、給油をして、ホテル戻り、18時30分。248マイル。夕食は、中華料理の海上鮮酒家。安くて、美味かった。

4月30日 マウナロア(4169m)登頂

マウナロアは、ハワイアンの言葉で「長い山」という意味だそうだ。4169mの高さは、海底から計算すると、9144mの山になり、頂上カルデラは長さ4.8km、幅3.2km、深さ183mという巨大さで、単体の山としては、世界一の体積を誇っているとのことです。

マウナロアへ日帰りするためには、オブザバトリートレイルから入るしかない。距離6.4マイル、高度差770m。他のルートは山中で2〜3泊が必要となる。
その登山口となる気象観測所へは、コナの町より車で2時間30分のドライブが必要である。もとより、私の妻は無理なので、3人で行く計画とした。
ロビーに4時30分集合、35分に出発。まだ夜は明けてなく、暗い。190号線を一路進み、途中で右折してサドルロードに入るのだが、マウナケアに行く時に通り、ルートの偵察も終わっているので、安心していたのか、その分岐を通過してしまい、ワイメアの町まで行ってしまった。気がついて引き返したが、30分のロスで5時出発と同じことになってしまった。
マウナケア・アクセスとの分岐に6時30分に到着した。サンドイッチを食べて、朝食とする。50分に出発して、荒れた道を19マイル、7時40分に高度3400mの気象観測所 Mauna Loa Weather Observatory に到着した。1パーティが出発の準備中、もう1パーティは昨夜テント泊で朝食中だった。今日は我々を入れて、3パーティかと思われる。

気象観測所
(18:30撮影)
マウナロア登山道
入り口
ノースピット分岐より
カルデラを望む


7時55分出発。15分程歩いたところに Observatory Trail の表示がある。登山道は直線的に登り、非常用の4WDの道(道といっても富士山のブル道よりもっと悪い)が大きく”く”の字を描いていることになっている。登山道は、約100m毎にあるケルンを頼りにひたすら登る。溶岩の上を歩くので、でこぼこが多い。朝出発時は寒かったが、陽が照るにつれて暖かくなってきた。ひたすら歩いて、11時35分にノースピットの三叉路(3975m)に到着した。コースタイムの4時間のところを3時間40分できたことになる。目の前にはマウナロアの巨大な噴火口、カルデラが望める。マウナロア山の北側の山頂。

マウナロア頂上(矢部)マウナロア頂上(4169m、泉谷、栗本)


ここから噴火口の周りを西側の最高点目指して歩く。何度もだまされながら、2時間35分かかって、最高点に到着した(14時15分)。この Summit Trail と呼ばれる部分が非常に遠かった。頂上直前に先行2パーティと行き会った。
頂上からは、マウナロアの雄大なカルデラが堪能できた。
40分に頂上を後にして、ひたすら歩く。下山時は4WD道を使ってノースピットを経由せず時間短縮を図ったが、常に方向をチェックしながら降りないと道を間違えそうな雰囲気だった。18時20分に車の所に戻った。下り3時間40分、ちょうど10時間の歩行となった。

マウナロアのカルデラ火口マウナケアを望む(気象観測所より)


中華料理店で夕食を済まして、ホテルに21時40分に帰着。

5月1日 休養日
午前中は、町へ散歩に出かけ、浜辺の散策、ショッピング。午後は、ホテルのラグーンとプールで遊んだ。

コナの海岸1コナの海岸2コナ海岸の夕日


5月2日 コナ、ハワイ島0655(AQ085)→0733ホノルル0945(CI017)→
5月3日 →1255成田


感想
1.ハワイにも、世界の山はある。このことを、皆さんはどの程度知っておられるだろうか?自分も最初そうだった。でも、マウナロアは、雄大な、りっぱな山でした。
2.気温については、マウナケアの時は風も吹いていて、寒かった。ジャケットを着込み、下も何らかのオーバーズボンを着た。しかし、マウナロアの時は暑くなった。早朝は寒く、下もズボンの上に着たが、すぐに脱いだ。日射が強く、日焼けが激しい。日焼け止めをあまり塗らなかったので、キラウエアの時の分もあり、顔、鼻の頭、唇の日焼けが激しい。
3.マウナロア登山では、1人水2Lを持参したが、ほとんど飲み干した。車に予備を置いていたので、問題はなかったが、直射日光を受け、紫外線も強く、高度の影響も含め、予想以上に水を多量に飲んだ。
4.高度の影響は、マウナケアでまず出た。私は、眩暈、あくびなどでそれとわかる。今回は3時間ほど滞在したが、初心者の妻は、かなり苦しくなってきたようだった。マウナロアでは、4000mを越すと、私の場合は、下痢という形で現れる。これは毎回のことだ。生体の適応反応だろうと解釈している。胃腸が酸素不足で役目を十分果たせなくなり、少量の水便のようになる。下山すると治る。
5.キラウエアの溶岩流は、本当にすばらしいの一言に尽きる。
6.マウナケア、キラウエア、マウナロアとあわせて、実に充実した一週間でした。GWの高い飛行機代も安く感じる位です。
7.今、行ける時に、行きたい山、行きたい場所に行く。
前にも書いたが、キラウエアの溶岩流などは、いくらビデオで見ても、この目で見ないことには、理解できるはずがない。マウナロアもしかりだ。実際に登らない限り、自分の足で歩かない限り、いくら解説を読んでも、その存在は理解できないはずだ。
世界には、まだまだ自分にとって未知の所が多い。行けるだけ、行こう。



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