2005年10月山行記録

7.赤岳天狗尾根

Date:2005年10月30日(日)[日帰り]
Party:栗本俊和単独
Time:
◆10月30日(日)/曇り時々晴れ
自宅345=510双葉SA(朝食)545=須玉IC=630美しの森駐車場(1475m)650ー715林道ゲート720ー755川俣川地獄谷800ー900出合小屋(1860m)910−1005本当の天狗尾根取り付き(1980m)1010ー1030天狗尾根(2115m)−1200第一岩峰下(昼食、2510m)1220ー1325大天狗北側基部(2680m)1335−1350主脈縦走路(2750m)1400−1415真教寺尾根分岐(2850m)1425ー1620牛首山(2280m)1625ー1705スキー場最上部(1910m)1710ー1815美しの森駐車場(1475m)1840=須玉IC=1920双葉SA(夕食)2000=事故渋滞=2130石川PA2140=調布IC=2220自宅
(d=往復326.9km)
Notes:
赤岳天狗尾根を1泊2日(頂上小屋泊)で登る計画を立てていたが、29日(土)の天気が悪く、急遽、日帰りで行く計画に変更した。(但し、時間がかかる場合は、頂上に泊まることも念頭に入れて)

予定の4時より早く自宅を出発できた。
美しの森林道入口の所にゲートがあり、一般車乗入禁止と書かれゲートが閉じられている。ガイドブックではもう少し先まで入れるとのことであったが、仕方なく、駐車場に車を停める。

美し森林道の紅葉 川俣川地獄谷より権現岳

林道を歩き出し、紅葉を眺めながら(左上写真) 30分程で、最初車を駐車しようと考えていたゲートの所に着いた。そこから川俣川の方の林道に入り、途中の林道の二分するところは左に入って、しばらくして、地獄谷の河原に出る。沢は涸れていて水はない。少し晴れてきて、ダムの向こうに権現岳が見える(右上写真)
鋼製ダムと背の低いコンクリート製のダムは、擁壁の部分はハシゴなどで登れて問題なかったが、コンクリート製の高いダムで1箇所高巻きを強いられ苦労した。出合小屋到着は9時。

天狗尾根第一岩峰と第二岩峰 第一岩峰、窓の中を乗っ越す大天狗

出合小屋を出てすぐに赤岳沢の出合である。左に本谷を分ける。ここは道標もあり間違わないであろう。右の赤岳沢に入って、程なくして、OACの天狗尾根1と書いたピンクのリボンテープに出くわす。左の斜面を眺めるが、ここは尾根の取付とは違うだろうと先に進む。次に天狗尾根?と書いた同じOACのピンクのリボンテープに出会う。左の斜面には踏み跡があり取り付いてみる。しかし、とても登れたものでなく、赤テープもなく取付ではないと引き返す。
そして、沢を進み、高度で出合小屋から120m登った所がやっと本物の取付と思える場所だった。ここまで約1時間、だいぶ時間を消耗してしまった。
時間の浪費はこれだけではなかった。踏み跡の道は正しいのだが、道を真っ直ぐに歩けない。倒木あり、不明瞭で、急斜面の道らしき所を探しながらの歩行となる。第一岩峰下に着いたのは12時になっていた。出合小屋から3時間である。ガイドブックではその半分の1時間30分と書かれている。明らかに何かが違っている。OACのリボンは紛らわしいので撤去してほしいと思う。正しい赤いテープだけで十分である。
ここで軽い昼食とした。今日中には帰れないなと覚悟を決めた。岩稜を登るためのここまでのアプローチに5時間も掛かっている。これでは天狗尾根の魅力も半減する。
しかし、最初の第一岩峰(中上写真) は、岩登りらしいことをやらせてもらえた。次の岩稜は程良い斜面の岩稜歩きで問題なく、そして、第ニ岩峰は基部右手の岩をトラバースして、草付きを直上、ここにはフィックスがあった。
続く、大天狗(右上写真) は基部を右に登り、その後斜面のトラバースから上に登るところを右に巻いてしまい、最後はハイマツを強引に引っ張って登る羽目に合い成ってしまった。(大天狗の直登は、単独では危険すぎる)
ここは少し上へと岩登りをすべきだった。ガイドブックに右に巻くという記述がありそれにとらわれてしまったようだ。これで大天狗の裏側に出たことになり、その大天狗北側基部からは小天狗とその先の縦走路が見え、やっと終わりが見えて、ほっとした。

縦走路より小天狗と大天狗を振り返る阿弥陀岳と中岳


13時50分に縦走路にたどり着く。天狗尾根を振り返って撮ったのが、(上左写真) です。小天狗と大天狗の間が大天狗北側基部です。
そして、目を稜線の反対側・西側に向けると、なつかしい阿弥陀南稜と中岳が見える(右上写真)。

赤岳を望む真教寺尾根分岐で


北方向には、赤岳も顔を出す。(左上写真)。 雲は流れていて、一瞬に頂上が顔を出すが、写真を撮るタイミングが難しい。
赤岳方面に向う途中で、今日初めての人に出会う。真教寺尾根分岐でシャッターを押してもらう。(右上写真)
3時を日帰り下山のための最終タイムリミットと考えていた。今2時20分、頂上小屋は店仕舞していたと聞いたこともあり下山とするが、ここから美しの森駐車場までは約4時間かかる。日没は5時、晩秋はすぐに暗くなる、久しぶりに懐中電灯を使うことになりそうだ。
とにかく、今は、今日降りれるだけで、ありがたい。頂上付近の翌朝の下山は、寒さと風のどちらをとっても、あまり準備をしていないので厳しさが予想される。
鎖場の多い真教寺尾根を1人黙々と下る。牛首山をすぎて、賽の河原というスキー場最上部の場所で日が暮れた。ヘッドライトを点ける。こんな真っ暗な山道を1人で歩くのは、何年ぶりだろうか?あと1時間と自分に言い聞かせて歩く。
18時過ぎに駐車場にたどり着く(歩行時間11時間25分)。

今回の結論は、
1.この時期、天狗尾根の日帰りは難しい。
2.その理由は、岩峰の取り付きまでの道が悪いので、時間がかかる。
3.冬、日帰りで来ようとは思えない。阿弥陀南稜とは、明らかに違う。
4.それにしても、今回はいろいろな経験をさせてもらった。
ルートファインディングは勿論のこと、薮漕ぎ、ハイマツ登り、懐電を点けての下山など。
アタックを想定した10時間以上の歩行を考えてのトレーニング的な意味では、ふさわしいルートなのかもしれない。今、日本には、そういうルートは数少なくなりかけている(車道は上に伸び、歩行時間は短くて済む傾向にある)から、貴重な経験を1日でさせてもらえたと言える。山行的には充実していた。


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