2008年4月山行記録

5.富士山(富士宮口)

Date:2008年4月27日(日)〜28日(月)[前夜泊]
Party:栗本俊和単独
装備:ピッケル、アイゼン、ストック1本
Time:
◆4月27日(日)/曇時々晴れ
自宅1250=御殿場IC=1530富士宮口新五合目(2390m)1600−1630宝永火口1640−1710新五合目(泊)
◆4月28日(月)/曇時々晴れ
新五合目510−535新六合横の沢(2480m、アイゼン着)545−630新七合目(2790m)635ー710七合目(3030m)720−755八合目(3230m)805−845九合目(3410m)855ー930七合目940−1020五合目、沢筋登り開始地点(2370m、昼食)1055−1115新五合目駐車場1150=御殿場IC=足柄SA=港北PA=東京IC=1500自宅
(d=往復274km)
Notes:
GWは毎年海外の山に出かけていたもので、海外に行けなくなった今年はぜひ富士山に登ろうと考えていた。GW後半は別の予定があるので27日に登る予定でいたが、富士宮口新五合目までの道路開通を問い合わせたところ、27日午後2時に開通ということが判り、1日延期して28日に登ることに変更した。また、夜間通行止めということなので、27日夕方までに五合目に入り、車中泊することにした。

五合目に着いたところ、夏登山道入り口が6〜7mの垂直の壁になっていて(一番最後の写真参照)、入れそうにない。それで、偵察を兼ねて、宝永火口登山道から入ってみることにする(右下写真)。 車は入り口に近い所に移動する(左下写真)。ここでも山側は10m近い壁になっている。

五合目駐車場 宝永火口への登山道入口(下山時撮影)

トレースはあり、林の中の雪道を行くと、30分ほどで宝永火口に出る。ここからは頂上までが一望のもとに眺められる(下写真)。尾根沿いに登って沢筋を横切り富士宮夏道に八合目あたりで合流するというルートもとれそうだ。この位置は新六合の山小屋からは随分と東に来ている。偵察の帰りに新六合山小屋へも寄れる沢筋ルートに気がつき、やはりこの沢筋を登ることに決めた。
五合目駐車場に戻ると、群馬からのグループが垂直の壁を登れないかと足場を作ったりしていたが、宝永火口への道からのルートがありますよと教えてあげた。彼らも入り口まで見に行き、そのようにするとの話しだった。他に単独の人が2人くらいいる感じで、明日は全部で10人近い人かなと思った。
お湯を沸かしてコンビニ弁当と焼酎で夕食後、テレビを見ていたら(あまりよく写らないが、音は十分入る、ちなみに携帯電話は通じます)、車が何台か通過する。夜間通行止めなのにと思ったが、上りは閉鎖だが、下り車線から入れますというのを読んだことがある。その中の1台の車が止まり、群馬の人ですか?と聞かれた。かなり大勢な人なのだなと思った。

宝永火口より頂上を望む。 左側稜線の
一段下岩場に山小屋が点々と見える
石の上にカメラを置いて

28日、5時10分出発。宝永入り口から10分ほどの沢筋登り開始点(2370m)から雪面の右側の溶岩岩石混じりの斜面を登り、新六合からのトラバース道に出会ったところでアイゼンを着けることにした(左下写真、2480m)。左に宝永山荘が望める。ここからは雪のない斜面はなくなる。結果的にはアイゼンを早く着けた方が正解だった(岩石混じりの斜面は歩きにくい、ずるずるとすべりやすい)。気温−5℃。
左の夏道に合流しようかとも思ったが、雪面が歩き易いので、そのまま沢ルートを行くことにする。そして、新七合、七合目の位置で左の夏道に入り、小屋前で休憩した(右下写真)。
今日は天気はそんなに悪くないが、風が強い。夜中も強い風が吹いていた。八合目池田館のところには避難小屋があるが、入り口が雪に埋まっていて入れない。小屋前の平地もまだ雪で被われている。下を覗くと夏道を登っている5〜6人のグループが小さく見える。多分群馬の人か?でも遅いなと思った。

宝永山荘を横に眺める
新六合横の沢筋、アイゼン着場所
新七合から七合、八合目山小屋を望む

八合目からはますます風が強まる。そして、氷片がいっぱい飛んできて体中に当たる。そのため耐風姿勢をとる機会が増える。九合目になんとか着いたが、この上はますます風が強いだろうし、今日はここまでとする。万年雪山荘も雪に埋もれていて見えるのは屋根だけです(左下写真)。気温−10℃。
体力、時間的に問題なくても、風には勝てない。そしてよく見ると、ハイドレーションが凍っている。ジュース、お湯があるので問題はないが、これより上に行くのであれば、問題があった。今回は試しで使ってみたが、やはり寒いところでの使用は要注意です(マッキンリーでは米人ガイドに言われて使用は止めて、セスナの着いた氷河にデポした)。
下山は沢筋雪面を一気に降りて、2370m登り開始点で昼食にした。
宝永登山道入口へ下山してアイゼンを外した。そこで宝永火口まで行って帰ってきた人にたまたま出会い、シャッターを押してもらった(右下写真)。そういえば今日は夏道を通らなかったためか、遠くから眺めた人はいたが登山者にはだれにも会わなかった。

九合目から富士宮口頂上(中央)
左:三島岳、右:成就岳
宝永登山道入口へ下山

五合目、車の上にカメラを置いて 五合目駐車場、夏登山道は、人が大勢いる
垂直の壁を登らないと入れない

五合目駐車場には、観光客とバイクの若者達がいた(右上写真)。それにしても、毎年の状況を知らないのですが、夏道に入れないというのは聞いたことがなかったので、今年は雪が多いということなのだろうなと思いました。

昼前に下山したので、お風呂にも入らず、早々に帰宅することにした。
行きも帰りもETC割引は使えなかったが、やはり来てみるだけの価値はあったと思う。前日早めに来て偵察できたのも良かったし、沢ルートの雪面歩きはアイゼン歩行の良い練習になるし、強風の耐風姿勢も良い練習です。この時期の富士山高所は厳冬期並み、強風の富士ほど怖いものなし。



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