2008年5月山行記録

6.笈ヶ岳(1841.4m)、金剛堂山(1637.9m)

シリタカ山より笈ヶ岳を望む。右の岩底(カマソコ)谷の頭を経由して登る。

Date:2008年5月1日(木)〜4日(日)
Party:栗本、前田
Time:
◆5月1日(木)
下落合駅2245=高速バス=
◆5月2日(金)/晴れ時々曇り、金剛堂山
=540金沢駅550=715栃谷登山口(780m)730−905(1346m峰)915−1050金剛堂山(1637.9m)1135−1225(1346m峰)1235−1340栃谷登山口1355=1700中宮温泉、山田旅館(泊)
◆5月3日(土)/晴、笈ヶ岳
中宮温泉340=350白山自然保護センター駐車場410−437ジライ谷野猿公園登山口445−二つ目の岩540−610(1250m峰、朝食)625−725冬瓜平分岐(1490m)735−805冬瓜山(カモウリヤマ、1627.9m)815−850シリタカ山900−950岩底(カマソコ)谷の頭横955−1015笈ヶ岳(昼食、1841.4m)1055−1140シリタカ山北の下降点(1640m)1145−1215冬瓜平(1440m)1225−1245冬瓜平分岐1250−1330(1250m峰)1340−1450野猿公園1500−1520駐車場1540=1545中宮温泉(泊)
◆5月4日(日)
中宮温泉=金沢駅=越後湯沢駅=自宅
Notes:
今回山行の目標は笈ヶ岳(オイズルガタケ)。北陸白山の北、石川、富山、岐阜三県境に位置し、深田久弥氏が未踏を理由に百名山から「遺憾にも割愛した」と記した名山で、夏道はなく、積雪期か残雪期のこの時期しか登れない。テント泊の2日コースが一般的とされていたが、日帰り可能なジライ谷からの最短ルートが最近多く歩かれるようになったが、それでも往復12時間ほどかかると言われている。よって登山口の中宮温泉に前後泊して登ることにした。
金沢在住の前田さんが一度登っているが一緒してくれるということで、前日にもう一山、能郷白山を加えての登山計画とした。ところが、一週間ほど前の問い合わせで能郷白山に入るR157の温見峠へのルートが連休中も開通しないことがわかり、急遽前日の山を一等三角点のある見晴らしの良い金剛堂山(富山県)に変更した。

東京からの夜行バスで金沢駅に2日の6時前に着き、前田さんの車でR304経由、金剛堂山の栃谷登山口に着いた。先行車はなく、登山者はいない様子。

金剛堂山登山口 イワウチワ

1000mを越えたあたりから雪面が出始める。1346m峰より金剛堂山が望める(右下写真)。

気持ちの良い雪の斜面 1346m峰より金剛堂山を望む

途中で6本爪のアイゼンを着ける。なくても行けるが、今日はストックなので着ける。雪のためか意外に時間がかかり11時前に頂上に着いた。一等三角点と大きな方位盤と大きな石造り?の祠がある。白山はもちろんだが、剣岳から立山、薬師、槍穂高、乗鞍まで見渡せる。明日の笈ヶ岳は頭が少しだけ見える。しかし、霞が少しかかったような天気で写真的には良くない。南方向には中金剛(1650m)が望める(右下写真)。

金剛堂山頂上(1637.9m) 中金剛を望む

予定通りの2時前には登山口を出発し、一度金沢に戻りR157を経由し、白山一里野温泉を通過して明日の登山口にあたる白山自然保護センター駐車場に立ち寄り、中宮温泉に落ち着いた。狭い谷筋に旅館が4軒ほど並んでいる。源泉65℃の「胃腸の湯」の湯治場として知られている。

3日は3時半起床、車で駐車場に移動する。何組かのパーティが出発の準備をしている。4時10分、まだ暗いのでライトを点けて出発。第一、第二と2つのトンネルがある遊歩道を行くと、ジライ谷野猿公園休憩舎に至る。ジライ谷を渡り、急坂に取り付く。登山者が増えたので踏み跡も明瞭になってきている(下の写真5枚は下山時の撮影です)。

自然保護センター駐車場(下山時) 第一のトンネル(下山時)

第二のトンネル(下山時) ジライ谷登山口(下山時)

第一の岩は急坂のなかほど、第二の岩(左下写真)の上で尾根に出る。標高は1000mを越えたところです。1250m峰で朝のおにぎり弁当を食べる。1271m峰を直ぐにすぎ、冬瓜山、シリタカ山が望める(右下写真)。

第二の岩(下山時) 左:冬瓜山、右:シリタカ山を望む

1400m近くから雪道になり、小さなコルという感じの冬瓜平分岐に出る(左下写真)。テント場になっている冬瓜平へは道がある訳ではなく、一度ブッシュを越えて冬瓜平への雪面に入る感じです。冬瓜山への稜線は雪面歩きとブッシュを掻き分けての登りがあります。白山のその雄大な白い山が輝いています(右下写真)。

冬瓜平分岐(1490m) 白山を望む

ブッシュの上に乗った雪面が崩れる所があります。一しきり登れば冬瓜山(カモウリヤマ)です。笈ヶ岳が望めます(左下写真)。冬瓜山のナイフリッジと言われているところには雪はありません。狭い頂上に2人用のテントが一張あり、冬瓜平には降りれなかったのだな思った。

冬瓜山(カモウリヤマ、1627.9m)からの笈ヶ岳 冬瓜山のナイフリッジ

シリタカ山からは笈ヶ岳が大きく望めます(冒頭の写真)。今日はピッケルです、雪面が崩れたり、支点として深く刺す必要のある場所があり、ストックよりピッケルの方が有効です。アイゼンは雪が軟らかいので逆に不要です。天気が良すぎて、Tシャツ1枚で十分です。カマソコ谷の頭を巻いて、小笈へのアルペン的な雪面を越すと、笈ヶ岳は直ぐです。
頂上には新潟パーティの先行組が2人、我々と同時に着いた横浜・仙台組、その後、続々と登頂者が増えた。今日の天気は快晴で、昨日以上に白山、北アルプスが綺麗に見える。次に行く予定の毛勝山も望める。北には大笠山が望める(右下写真)。

笈ヶ岳(1841.4m)頂上 大笠山を望む

昼食の後、下山は冬瓜平経由のルートを選ぶ。冬瓜平への下降点はシリタカ山北の1640m地点。赤テープと踏み跡があった。左へトラバース気味にルートを選ぶ。シリセードで遊んでみる。冬瓜平は良いテントサイト(右下写真)、そこから更に左へトラバースしながら50mほど雪面を登り、最後にブッシュを掻き分けると冬瓜平分岐に出る。ちょうど冬瓜平を目指している1パーティがそこにいた。

笈ヶ岳頂上より小笈方面の稜線 冬瓜平よりの笈ヶ岳

冬瓜平分岐からは長い下り、最後の急坂を固定ロープの助けを借りてジライ谷に降り立つ。谷は朝より水量が増えている(左下写真)。休憩舎で休む(右下写真)。

ジライ谷の渡渉 ジライ谷野猿公園休憩舎

駐車場に戻る遊歩道では明日登る予定の人に数人出会った。自然保護センターの施設を簡単に見学してから、中宮温泉に帰り、温泉に浸かって疲れを癒した。そして、美味しいビールを飲みながら、充実した1日を振り返ることができた。

予定の12時間より早く11時間で往復できた。確かにシンドイ山ではあったが、天気に恵まれ、友に恵まれ、冬瓜平への雪の斜面も楽しく周回でき、充実した山行でした。
帰りの越後湯沢に向かう特急はくたかの車内からは、剣岳の北に連なる3山の最北のピーク(毛勝山)の2つに別れた雪渓が見事に光り輝いていた。2週間後にはこの山に向かうのだと改めて思い起こすことができた。


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