2010年6月山行記録

12.空木岳(2863.7m)、南駒ケ岳(2841m)

Time:
◆6月3日(木)/曇り後一時雷雨
林道終点手前の駐車場905−林道終点駐車場登山口(1350m)935−1040池山小屋(1750m)1050−1150マセナギ(2000m)−1510避難小屋分岐(2530m)1515−1545空木平避難小屋(2510m)泊
◆6月4日(金)/晴れ
空木平避難小屋510−610駒峰ヒュッテ(2800m)615−630空木岳(2863.7m)640−850南駒ケ岳(2841m)905−1105空木岳−1115駒峰ヒュッテ1120−1155空木平避難小屋1220−1545池山小屋1550−1540林道終点駐車場1545−1710駐車場
(d=往復478km)
Notes:
この日は元々、笊ヶ岳(テント泊)へ行く計画であったが、県道810号山崩れ通行止めのため入山不可になり、急遽目的地を変更して選んだ。あくまでも南駒ケ岳が目標の山。駒峰ヒュッテ泊の予定でいたが、結局は空木平避難小屋泊となった。メンバーは昨秋のチョーオユーに一緒に登ったNさん。
中央高速を駒ヶ根ICで降りて、池山尾根の林道終点駐車場を目指すが、途中で工事のため通行止めとなっていて、手前の駐車場に9時前に着いた。

林道を横切っている登山口から入山した(左下写真)。本来の駐車場(右下写真)まで約30分かかった。途中に三本木地蔵があり、遭難者の慰霊碑があった。

林道終点手前の登山道入口 利用できなかった林道終点駐車場

ここから池山自然歩道に入り、タカウチ場をすぎ、旧池山小屋への分岐を過ぎると、新しい池山小屋に着いた。ホースで引いてきたりっぱな水場がある(左下写真)。池山小屋は50mくらい先にあるが、緑の木々に被われている(右下写真)。この池山小屋には、1989年の夏に木曾駒から空木を縦走して下山してきた時に立ち寄った。雨中の下山中であったが、その小屋はこの小屋ではなく古い旧池山小屋。

池山小屋の水場 緑に被われた池山小屋

池山小屋からは、平坦な道からジグザグの登り、稜線歩きからマセナギの頭を経て、大地獄、小地獄のハシゴ、階段、迷尾根から主尾根に戻ってヨナ沢の頭と池山尾根の長い道のりが続く。途中からパラパラと雨が降り出し、雷と共に本降りのアラレとなり皮膚に当ると痛い。カッパを着て黙々と歩くと、2300m付近から残雪が出だす。残雪が多くなる2400m付近から夏道をほぼ覆い隠すようになり、最後は夏道がわからなくなり、主稜線へ直登する(左下写真)。すると不思議なことにトレースがある。2528mから空木平避難小屋が見え、すぐに避難小屋への分岐に着く(右下写真)。雨のため今日の泊りは空木平避難小屋とする。

残雪、稜線への直登(2500m) 残雪の稜線(2528m)と空木岳

少し下り気味に小屋へトラバースするが、ここも夏道が雪面で途中でわからなくなる。雪面はゆるくて、ステップが崩れ滑り易い。小屋の少し上に出た(左下写真)。小屋に着くと単独行者がいた。池山尾根を下ろうとしたが、道が分からないので、引き返し避難小屋に泊ることにしたと言う。これであのトレースが理解できた。
しかしながら、この人は自分は初心者ですというのは良いが、コンロなし、ペットボトル1個のみで、弁当と非常食持参か?、携帯電話は電池切れで貸して欲しいと言い、借りて勤務先に電話した。我々は各自コンロを持参しているので、お湯を沸かして分けてあげる。我々はお酒を少し飲んでから、夕食へと進む。彼には明日は我々のトレースを下れば大丈夫と教えてあげた。

避難小屋が見える(4日下山時撮影) 空木平避難小屋(4日下山時撮影)

4日、4時起床、5時10分出発。天気は良い。雪面を尾根へ直登して夏道に出る。駒石と空木岳が見える(左下写真)。御嶽山も見えてきた(右下写真)。

駒石(右)と空木岳 御岳山

北には、木曾駒ケ岳と宝剣岳が見える(左下写真)。駒峰ヒュッテで休憩する(右下写真)。この避難小屋部分は2〜3人分の狭いスペースしか解放されていない。

木曾駒ケ岳と宝剣岳(中央の黒三角) 駒峰ヒュッテ

すぐに空木岳に着く。見下ろせば、空木平の避難小屋が見え、背景には、左から八ヶ岳、南アの鋸、甲斐駒から始まり(左下写真)、仙丈、塩見、荒川、赤石、聖と続く。塩見岳の後ろには富士山が顔を出している(右下写真)。

空木平を見下ろす
背景は八ヶ岳、鋸岳、甲斐駒、仙丈
富士山が塩見岳の後ろに見える

空木岳の頂上は昨日の新雪が5cmほど積もり白く輝いている(左下写真)。頂上に足を踏み込み、写真を撮ってもらった(右下写真)。

新雪、ノートレースの空木岳頂上 空木岳頂上(2863.7m)

下写真は北方向の展望です。木曾駒、宝剣のバックには、槍と穂高の北アルプスが望める。

木曾駒、宝剣、背景に槍と穂高

下写真は南方向の展望です。これから進む赤椰(なぎ)岳、南駒ケ岳(中央)が望める。南駒はどっしりと風格があります。頂上稜線は昨日の雪で全面白く被われており、アイゼンを着けた。

赤椰(なぎ)岳、南駒ケ岳(中央)、右背景は恵那山?

赤椰岳(2798m)まで来て、後ろを振り返ると空木岳が望める(左下写真)。
摺鉢窪避難小屋分岐近くから南駒ケ岳を近くに望む(右下写真)。

赤椰岳から空木岳を見返す 南駒ケ岳を近くに望む

南駒ケ岳間近で頂上に人を見つけた。頂上には4人パーティが越百(こすも)山から先着しており、一緒に写真を写した(下写真)。東京、横浜からの女性1名を含む若いグループで、木曽駒へ縦走するとの話でした。

南駒ケ岳頂上(2841m)で

右下写真は、南駒からの越百(こすも)山です。

南駒ケ岳頂上の祠 越百(こすも)山

同じ稜線の道を空木岳へ戻る(左下写真)。そして、空木平避難小屋へ戻ってきた(右下写真)。往復7時間近くかかった。パッキングし直して、池山尾根を下った。単独行者の痕跡があり、無事彼も下山しただろう。

二度目の空木岳(新雪は踏み跡で荒らされ) 空木平避難小屋前から空木岳

駐車場に戻ったのは、17時過ぎで、ちょうど往復12時間の山行でした。雪が降ったり、夏道が分からないなどで、予想外に時間がかかった。

駒ヶ根のこまくさの湯に浸かってから、高速に乗った。途中、すさまじい雨が降ったりして、午後の天気の不安定さを味わった。
空木岳は百名山で、南駒ケ岳は二百名山です。南駒は伊那側から越百山を越えたコースがよく紹介されているが、木曾側から南駒を目標のピークとして池山尾根、空木岳を越えのルートは、この時期新雪もあり登りごたえがありました。



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