2011年7月山行記録

13.朳差岳(えぶりさしだけ、1636.4m)

Time:
◆7月16日(土)/曇り時々晴れ
天狗平登山口駐車場(420m)410-430温身平435-515(590m、朝食)528-610梶川出合(700m)615-650石転びの出合(870m)700-755本石転び沢対岸(水場、1220m)800-905中ノ島(1600m)910-950梅花皮小屋(1850m、昼食)1030-1100北股岳(2025m)1105-1205門内小屋1210-1315地神山(1849.6m)1320-1420頼母木(たもぎ)小屋(1625m)泊
◆7月17日(日)/晴れ時々曇り
頼母木小屋400-425大石山428-510鉾立峰515-545朳差岳(1636.4m)605-750頼母木小屋820-905地神北峰(1800m)915-(丸森尾根)-1055水場(1020m)1105-1300天狗平飯豊山荘(410m)
Notes:
15日、以東岳大鳥登山口から4時間ほどかかって飯豊山荘に着いた(左下写真)。この温泉には下山後入ることにして、天狗平終点ゲートの登山口を下見した。そして今日の宿、泡の湯温泉三好荘に入った。温泉の配管清掃のため飯豊山荘も梅花皮荘もいわゆる飯豊温泉はすべて休みだった。三好荘は秘湯を守る会の宿で日本では数少ない貴重な炭酸温泉でゆっくりと入りたかったが、遅い到着と早朝出発のためゆっくりと入れなかったのが残念です。しかし、夕食は栄養補給になった。

16日、3時起床、3時半出発、車で15分ほどで天狗平終点ゲート脇に駐車した。そして、4時過ぎに出発できた。4時半に石転び沢の入り口になる温身平に着いた(右下写真)。ここから登山道になる。

飯豊山荘 温身平

梅花皮沢の途中休憩で朝食を済ませ、梶川出合近くまではすんなりと来たが、左下写真の梶川出合手前でテープでクローズされ高巻の指示があり、高巻を強いられる。下った所が梶川出合で、ここからも高巻と雪渓方向の両方に赤テープがあり最初高巻を試みたが止めて、雪渓横断した(左下写真の雪渓を右から左へ)。

梶川出合手前 石転びの出合手前(右上:門内沢)

問題箇所はこの梶川出合だけで、石転びの出合に着く(左下写真)。写真の岩のところで休憩し、6本爪アイゼンを着ける。ピッケルは置いてきたので、ストックで登る。ここからは真っ直ぐに石転び雪渓が望める。

石転び沢を望む(出合で) 北股沢出合に近い所

本石転び沢出合まで1時間ほどで、途中風が吹くと涼しいから寒いと感じるときもあった。対岸で水を補給する。北股沢出合付近(右上写真)ではガスっている。北股沢に入らないように気をつけて歩いていると、すぐに中ノ島に着く。予想より短かった。アイゼンを外す。中ノ島に上がるとかわいい花が咲いていて、気をなごませてくれる(下写真)。


中ノ島から下を望むと、ガスも晴れて登ってきた石転び沢が良く望める(左下写真)。そんなに傾斜のきつい所はなかったように思える。中ノ島最上部で左へ沢を渡るところが斜度45度のトラバースといわれている所だが、残雪は5mほどしかなくアイゼンを着けることもなく渡れる。斜度45度はないと思う。斜度が45度もあればピッケルもアイゼンもなしに渡れないであろう。

中ノ島から下を望む トラバース箇所はわずか5m程

トラバース箇所よりも梅花皮小屋直下の雪渓(左下写真)、30mほどの登りの方がいやらしい。その雪渓を登りきると梅花皮(かいらぎ)小屋に着く。石転びの出合から3時間以内で来れた。予想より早かったので、水場でゆっくりと昼食を摂る。

梅花皮小屋直下の雪渓 梅花皮小屋と梅花皮岳

あとは稜線散歩であり、4時間として14時半頃に頼母木小屋に着くであろうと計算できる。北股岳、門内岳(下写真)を通過して、門内小屋に着く。

北股岳(2024.9m) 門内岳(1887m)

門内小屋(左下写真)からは次の地神山(二等三角点)が望める。ニッコウキスゲとヒメサユリの群落に出会った(右下写真)。

門内小屋と地神山 ニッコウキスゲとヒメサユリ

ヒメサユリ 地神山頂(1849.6m)

地神山を過ぎると、丸森尾根との分岐になる地神北峰を経て、頼母木小屋と朳差岳(下写真)が見えてくる。14時20分、頼母木小屋着。約10時間、私としては早く着けたと思う。

頼母木小屋と朳差岳 頼母木(たもぎ)小屋

今日の頼母木小屋の宿泊者は、1階10人、2階6人程、テント泊6人と海の日の3連休にしては少ない数でした。ゆっくりと泊れた。
右下写真、バイオトイレには、ペダルこぎがついている。「使用後は、必ずペダルを前20回以上、後10回以上こいでください」の使用上の注意が書かれている。

雲が取れた朳差岳を望む バイオトイレのペタルこぎ

17日も3時起床。別の4人グループが3時起床するというのでそれに合わせる。私も3時起床が習慣になってきたので好都合。4時出発も同じ。大石山(左下写真)では十分明るく、その後すぐに日の出を迎える(右下写真)。

大石山 日の出

朳差小屋が頂上直下にありそれを見ながら朳差岳頂上に着く(下写真)。まだ6時前でだれもいない。朳差岳の朳(えぶり)は農具の一種で、えぶりを担いだ人の姿をした雪形が田植えの頃に現われることが山名の由来と言われている。

朳差岳頂上 朳差岳(1636.4m)

南東方向には昨日歩いてきた地神山、北股岳が望める(左下写真)。そして、飯豊本山がその左手にうっすらと見える(右下写真)。

地神山、北股岳(中央奥)を望む 飯豊本山を望む

朳差小屋周辺はお花畑で、ニッコウキスゲが咲き誇っている(左下写真)。頼母木小屋に戻り荷造りしてから、丸森尾根を下山した。途中からは疲れと暑さからか、ヘバってしまい、時間がかかった。飯豊山荘前に下山し、飯豊山荘のお湯に浸かった。

朳差小屋とニッコウキスゲ 飯豊山荘前登山口に下山

石転び沢の情況が確かでない部分があり、どの程度時間がかかるのか心配があったが、早朝出発で、順調に雪渓を登れたことは喜ばしいことでした。そして、4日間雨なし晴れの天気で、朳差岳もじっくりとその山の姿を頭に残すことができました。どっしりと大きく美しく200名山にふさわしい山でした。


トップへ戻る