ストックカンリ(Stok Kangri 6150m)登頂

2017年8月9日~8月20日、12日間の記録

西遊旅行の頭書のツアーに参加した。ストックカンリは、インド北部、ラダックの町レーから眺められる6000m峰です。ラダック・レーには過去2回訪問しており、これが3回目です。1回目は、2010年のラダック・ザンスカールを巡った、ラダック・ザンスカールの旅(1)から(8)まで続くシリーズ、2回目が、2012年のゴンマ峰、ギャップカンリ峰の2つの6000m峰に登った、ラダック山脈6000m峰登頂の山旅(その1)から(その6)まで続くシリーズ、です。
今回の参加者は10名、男性7名、女性3名、60才以上7名、50才台3名、平均年齢63才の高齢者ツアーです。そのうち4名(男3、女1)がグループでの参加でした。

9日はデリ-到着後、空港近くのホテルで1泊した。10日は早朝のフライトでレー(3500m)に7時20分に到着。着く前の飛行機の窓からストックカンリの姿をとらえ、また、空港からもよく見えた。そして、ホテル、ガルダンコンチネンタルの屋上からもよく見える。下写真は下山後の最終日、8月19日に撮った写真です。これが一番良く撮れた。右端の最も高い山がストックカンリ(6150m)で、右から2番目はShuku Kanguri(6000m),3番目がPyramide(5930m)、4番目のGolep Kangri(5950m)のもう一つ左にMatho kangri(5860m)があり、5つの峰が並んでいる。

レーホテルから望むストックカンリ(右端、6150m)、左端はGolep Kangri(5950m)

ホテル、ガルダンコンチネンタルレー旧王宮とゴンパのある岩山ナムギャルツエモ

10日午後は観光に出かける。最初に、Shanti Stupa,日本山妙法寺。1985年に中村行明さんによって建立された。たまたまお寺におられたため、いろいろとお話を伺った。
日本寺妙法寺のストゥーパ中村行明さんと参加者全員

サンカルゴンパに寄ったあと、旧王宮から岩山ナムギャルツエモのタルチョまで登る(左下写真)。町に戻って、散策、お土産探し(右下写真)。
岩山ナムギャルツエモのタルチョレーのメインストリート

11日午前、高所馴化を兼ねて、カルドゥンラ(5340m)まで車で登る。さらに少し足を伸ばしてタルチョのある岩山まで登る。
カルドンラのタルチョのある岩山カルドンラから見える山々

12日、今日から登山モードに入る。インダス川にかかる橋を渡り(左下写真)、ストック村(3650m)に入る。ストック村で、コック、キッチンスタッフ達の紹介があり、荷物は馬で運ぶ(右下写真)。
インダス川を渡りストック村へ荷物は馬で運ぶ

15時半ころ、最初のテント地、モンカルモ(4400m)に着く。昼食、休憩時間を含んで6時間ほどだった。
モンカルモ着ストックカンリを望む(右の山)

13日早朝、ストックカンリが望める(右上写真)。登路は左の稜線の裏側でここからは見えない。午前中高所順応で、マトゥラ方面へ出かける。300m近く登りテントへ戻る。右下写真は、遠くから見ると岩のように見える花で、マンテマとよばれているそうです。
モンカルモのテント花、マンテマ

14日、夜中の1時頃に、おしめり程度の雨が降ったが、そのあと雲の中から下弦の月が見えた。それ以外はほとんど天気は晴れている。8時前に出発して、11時半ころBC(4980m)に着いた(左下写真)。
BC着BCから頂上へのトラバース道を望む

午後は、アイゼンワーク他の練習をする皆さんと別れて、ABC(5330m)まで一人で馴化に出かけた。右上写真の小尾根を越して、左へ回り込んで進むと、ストック氷河が見えてくる。そこにタルチョが張ってある小高い場所があった(下写真)。BCに戻ってから、ここがABCだと知った。350mを1時間少しで登った。この時は、左下写真の急な雪面の右端を登り、それから右の稜線を登るものと考えたが、違った。実際は、ストック氷河の中央部まで進み、そこから右へ90°曲がり、見えている頂上からの左稜線の裏側に入りこみ、雪面を登るルートだった。BCへ戻り、夕食時のSPO2値を計ると90もあり、高所馴化の効果を知った。
ストック氷河ABCからストックカンリ方面を望む

15日は、グレップカンリ方面5300mまでの高所馴化トレだった(掲載写真はなし)。夕食16時の後、就寝、23時起床、24時出発のスケジュールでアタックに向かう。

16日、0時ちょうど出発。登山ガイド1名、添乗員1名のため10名全員一緒のスタート(他に、現地ツアーガイド1名とキッチンスタッフ4名が後ろにサポーターという形で同行する)。ABCまで3時間かかった。女性1名がここでリタイヤした。けがもあり遅くリタイヤが予想されていたが、そのために隊のスピードは遅い。以後は次に遅い人のスピードで9名全員一緒に再スタート。氷河の流れを何回か渡り、渡ってからのルート探し、ノーアイゼンで行けるところまで行く方針。日の出(左下写真、午前5時45分)は雪と岩礫の斜面で迎える(右下写真)。
日の出日の出時の斜面の様子

ここから雪面に変わっていくが、ノーアイゼンのまま進み、滑りそうで危なくなるところでアイゼンを着ける。もう少し早く着けた方が良かった感じです(現地サポーターは先に付けていた)。稜線の肩(ショルダー)を目指すが、直前で遅い人が出始めなかなか前に進まない。ショルダーに着いたのは、ABCから6時間かかった9時5分だった(5880m)。
ここからはアンザイレンとなる。ガイド・サントスに5名(A)と添乗員の藤本さんに4名(B)の2パーティーに分かれて出発する。頂上まで270m、2時間で登れるか?出発は9時50分だった。天気は快晴で暖かくなり、不要なものはデポすることになり、ジャケットをデポした。私はAパーティのラストで、下に続くBパーティを撮ったのが右下写真です。
ショルダー(5880m)から頂上(6150m)を望むアンザイレンしたBパーティと雪の斜面

Aパーティーは12時25分にストックカンリの頂上に着いた。ショルダーから2時間半かかった。Bパーティーは20分ほどの遅れです。周囲の山々はすべて見えるが、ヌン(7135m)、クン(7085m)以外はよくわからない。
快晴のストックカンリ頂上(6150m)での全員の記念写真

頂上でガイドのサントスと下降時、頂上を振り返る
中央黒岩の左上がショルダー

頂上を出たのは、13時10分。ショルダー15時15分着、15時45分発。ABC着、18時45分。20時BC戻りは暗くなっていた。往復20時間もかかった。ちなみに、案内では、登り:8.5時間、下り:4時間、往復:12~14時間とある。登頂記念にコックが作ってくれたケーキは翌朝カットし、おいしく食べた。
下降時、頂上を振り返る登頂記念ケーキは翌朝にカット

17日は、BCからストック村まで、下山し、レーのホテルに戻った。
18日は予備日で、最初からオプショナルツアーが予定されており、私は、仏教美術の宝庫と言われているアルチ僧院の観光ツアーに参加した。7年前に訪問したが、チベット仏教の仏像、壁画が素晴らしかったので、再訪した。
インダス川(左)とザンスカール川(中央)の合流点アルチ僧院三層堂

アルチ僧院内は写真撮影禁止であり、絵ハガキから2枚をアップし、その一端を示します。左下写真は、三層堂の吹き抜け構造の3方向に置かれている観音菩薩、弥勒菩薩、文殊菩薩のうち、文殊菩薩をアップした。高さ5mの立像です。4本の腕と腰にまとった下肢の見事な細密画が特徴です。右下写真は壁面に描かれた金剛界マンダラ絵です。
文殊菩薩像Manjusri金剛界マンダラ壁画Vajraguhya-mandala

感想
1.ストックカンリはレーの町から眺められ、この付近では明らかに盟主と言われる存在であり、立派な山で、登頂できて良かった。そして、ラダック・レーに3度も来れたことはそれ以上に喜ばしいことです。
2.最後の6000m峰として挑んだが、なかなかルートの長い時間のかかる山でした。昔は、C1があり(環境問題で使用不可となった)容易であったが、今は距離があります。
3.10名の大人数となれば、早めにパーティーを2つに分けて対処するなどの対策があると思う。そのためにはガイド2名にする必要があるが、案内にはガイド2名とあり、そのように認識していたのですが違ったようです。ツアーのゆっくり全員一緒登頂登山と、目指す速攻安全登山との相違を感じます。



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