クンジェラブ峠越えパミール大横断の旅(その5 )クンジェラブ峠を越えてカシュガルヘ |
5月6日、イミグレーションが9時にオープンということで、全員で事務所に行き並んで待つが、担当官が来ないため長く待たされる。担当官が来てからも車の上に積んであるスーツケースを降ろしてチェックする、しないで問答があり、結局イミグレを通過した時には10時半を過ぎていた。我々が本日の最初の通過であり、バスで行く日本人の単独の人が一人いたが、もちろんその後の通過である。
途中ナショナルパークの看板のあるところで(右上写真)、検問があり、バスは徐々に高度を上げていく。周囲の景色にも高度感が出てきた(下写真)。13時前、3550m地点で昼食。一部の人は外で食べていたが、風が強いので私はバスの中で弁当を簡単に済ませた。
15時にクンジェラブ峠に着く。標高は4733mとなっているが、高度計の表示は100mほど低い。パキスタン側は小さな小屋(左下写真の道路脇、中央右より)だが、中国側は大きなゲートがどーんと構えている(右下写真)。監視も厳しい。両者の間には100mほどの緩衝地帯があり、中国側に入ると写真が撮れなくなるとのことで、車から降りて歩いて中国側に行く。バスはそのまま中国側に行く。写真をゆっくりと撮っていると中国側監視人から急いで来るようにと警告がある。下の写真は、緩衝地帯から、それぞれパキスタン側、中国側を撮ったものです。
ゲート手前で車に乗り、少し待たされた後、中国側に入る。ゲートのところでは中国人の観光客が車で来て写真を撮っている。我々はバスを少し走らせ高度差で100mほど下がったところにある荷物検査場で、スーツケースを全部開けるチェックを受ける。1時間ほどかかって無事終了、16時半を過ぎていた。ここからタシクルガンまでは中国側の軍服を着たような若いポリスが乗り込み監視付きである。写真は撮れない。中国側は完全舗装された立派な道路になっている。2008年の北京オリンピックの年の完成で、中国とパキスタンの国力の大きな差を感じる。黙ったままの静かなバス旅行でタシクルガンに着く、18時30分。イミグレーションでパスポートに入国印が押される。その後、現地ガイドのウイグル人のグリさんという女性の案内で、中華料理店で夕食をいただき、ホテルに着いた。タシクルガンは田舎の町という認識があったが、結構たくさんのホテルがあり、この町も舗装道路の開通と共に近年大きく変わってきていると感じる。パキスタンと中国の間には3時間の時差があり、夕食はパキ時間で19時すぎでも、中国時間では22時すぎでした。 5月7日、今日は飛行機の関係で、バスでカシュガルまで走った後、ウルムチ経由北京まで行く強行軍のスケジュールに変更になっており、北京着は24時を過ぎることになる。朝はまだ暗い6時過ぎの出発です(北京時間の6時は新疆時間では4時の感覚です)。 昨日のクンジェラブ峠が寒くなかったので、それ以上寒くならないと思って寒さ対策をお留守にしたら、今日は寒い日になった。タシクルガンは標高3000mほどで盆地状になっていて、水流はヤルカンドの東方に抜けているが急流のため、道路は北方のスパシ峠(4000m)を越えてそれからカラクリ湖(3600m)、カシュガル(1235m)へと下っていく。3000mから4000mまで登り、夜明け前の時点であり、バス車内が徐々に寒くなり、カラクリ湖では8時半頃だが強風が吹いていて、非常に寒かった。写真とトイレを済ませてすぐにバスに戻った。カラクリ湖までは2005年に来ていて、ムスターグアタも眺めているので、それで十分であった。2005年は夏の昼間だし、暖かかった記憶がある。「崑崙未踏峰登頂と新疆ウイグル旅行記」の8月4日の項、参照。
ムスターグアタはカラクリ湖手前が至近距離で良い位置だが、雲がかかっていた。カラクリ湖でも頂上は雲だったが(左上写真)、その先で雲の切れ目から頂上が見えた(右上写真)。次にコングールも同じで至近距離では良い写真は撮れず、コングール本峰は平地に降りてから遠い位置での写真です(右下写真)。山間を走っている時に見えた美しい山は、コングールに連なる無名峰との説明でした(左下写真)。ムスターグアタとコングールの姿は初日の飛行機内から眺めた。クンジェラブ峠越え(その1)、参照。今度はそれらを反対側から眺めていることになる。ムスターグアタは双耳峰、コングールは連峰になっていることが理解できるでしょう。
2005年のカシュガルとカラクリ湖の間はガタガタ道であったが、今は完全舗装の観光道路に変わっている。途中の町で休憩した(左下写真)後、ウイグル人の町、カシュガルに入った。13時半だった。7時間少々、通常は1日コースを半日で終わらせて、昼食は中華料理から変更してウイグル料理をいただくことになった(右下写真)
ポロは美味しかったが、ラグメンは辛かった。
飛行機の時間に少し余裕ができたので、有名なイスラム寺院のエイティガール寺院に行くことになったが、VIPが来ていて車が混雑で入れなさそうとのことで、すぐにカシュガル老城、旧市街の観光、散策に変わった(下写真)。旧市街も再開発が進み、取り壊し、新しいビル、アパートの建設と、この風景も数年先には様変わりしていることでしょう。
ウルムチ経由、北京24時15分着、泊。 5月8日、CA167、中国国際航空で成田18時着で帰国。 今回の旅は、まず天気が良かったことが一番に上げられる。カラコルムの有名な山々を眺めることに関してはすべて思い通り運びました。飛行機からのコングール、ムスターグアタ、K2、ナンガパルバットから始まり、ラカポシ、ディラン、ウルタルなどなど。 2番目の目的のガンダーラ仏教、はじめてのパキスタンも、ビンラディンの殺害事件もあり印象深いものになった。桃源郷フンザを堪能し、新しくできたアッタバード湖とカラコルムハイウェイの現状を知ることができた。 最後にクンジェラブ峠を越えてカシュガルに抜けて、懐かしいウイグルに接することができた。シルクロードの道がパキスタンまでつながり、仏教の理解も深まった。中国の強大さとパキスタンの昔のままの姿が好対照です。そして、少数民族ウイグルと漢民族の対比も然りです。 |